本屋

ひさびさに本屋に行きました。
漫画の新刊やもともと興味のあった本を通販で適宜買い足すのが習慣になって久しいためか、たまに本屋に行った日は印象深い日になります。よく言われていることですが、書店も図書館も、棚を眺めるのが面白いですね。話題の新刊コーナーや新着本もそうですし、普段なら絶対読まないジャンルの棚で、背表紙の文字を追っていくのも楽しい。
友達や知り合いの本棚を見るのも好きです。何に興味があるのかとか、どんな並べ方をしてるのかとか。雑然としている部分を見つけて、最近はこのへんを読んでいるのかなと想像してみたり……。

本屋に行った話に戻します。今回は旅行ガイドが目当てだったのですが、妙に旅の本の向かいにあった平積みコーナーが気になりました。積まれていたのは「仕事も人生もうまくいく〇ヶ条」といようなもの。おいちょっと!大丈夫か!? という感じですね。普段であれば、幸福論をテーマにした書物が世に溢れているのはうんぬんかんぬん……なんて理屈をオートでこねだすところですが(最悪?)、その時は素直に魅了される自分が半分、そのような自分への驚きが半分、でした。

今日の出来事にはひとまず、興味のなかった事柄に興味を持てたという評価と、興味のステップをぶっ飛ばしすぎているという評価の両方を付加してみることにしました。
今まで通りのやり方ではうまくいかないと感じたときは、新しい知識や関心ごとを少しずつ取り入れてみています。しかし、自分の中の基軸に軽微な修正を加え続けるのが面倒になったとき、もしくは悩みごとがパターン化したとき、全くの新機軸を打ちたてたくなる。「すっごく変わってみるのはどう?」(宝石の国のダイヤちゃん)ですね。書店で目に入った本によって、そうした変身願望を刺激されたのだと思います。

書店を去って、ご飯を食べて友達としゃべるうちに、本への関心は薄らいでいきました。今は、隣りあう棚を移動するように、少しずつ関心の幅を広げていく方に心が向いています。いつも通りの状態です。変わらない自分に少し安心したと同時に、あんなにあの本に引き付けられたのは何であったのだろう、という不思議さが残りました。

もしかすると、いつかは正反対の考え方をしだすかもしれません。そのときはそのときで、ぶっ飛んでいく楽しさを享受したいですね。